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葉酸サプリはいつからいつまで飲む?妊娠中・授乳中も必要?

妊娠

妊娠に必要であることが少しずつ認知され、妊活の1つとして葉酸サプリを摂取している人も増えてきました。

ですが、実際に葉酸サプリをいつからいつまで飲むべきなのか?何週目まで摂取するのが良いのか分からない人も多いのではないでしょうか?

今回は葉酸サプリがいつからいつまで飲むものなのか、妊娠中や出産後の授乳中は必要なのかをご紹介します。

厚生労働省が推奨する葉酸の摂取量、生理中やつわりで飲めない時や葉酸を飲むのが遅かったと不安な気持ちを抱える人も、ぜひ参考にして欲しい内容です。

この記事の監修医師
阿部 一也 先生
■経歴
医師、日本産科婦人科学会専門医。
東京慈恵会医科大学卒業。
都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、
分娩の対応や新生児の対応、
切迫流早産の管理などにも従事。
婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、
骨盤内感染症などの良性疾患から、
子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。
PMS(月経前症候群)や更年期障害などの
ホルモン系の診療なども幅広く診療している。

葉酸サプリはいつから飲むべき?

葉酸サプリはいつから飲むべき?

葉酸は妊婦に欠かせない栄養素ですが、いつから飲むべきなのか気になる人もいますよね?

葉酸サプリは妊娠を望む人の場合、妊娠の1ヶ月前の妊活中から摂取することが推奨されています。

妊娠前から摂取することで、葉酸が赤ちゃんの脳や脊髄の形成に必要な栄養素を補うことができます。

妊娠に気付いた時にはすでに赤ちゃんの脳や脊髄の基盤になる神経管の生成は始まっていることが多いので、妊活中や妊娠前から葉酸を摂取することが大切です。

そのため、妊娠の1ヶ月前に縛られずに妊娠を考え始めた時から葉酸サプリの摂取をするのが良いでしょう。

妊活中に葉酸サプリが必要な理由

葉酸を摂取したからといって不妊治療に効果があるというエビデンスはありません。

ですが、妊活中に葉酸は欠かせない栄養素の1つで、厚生労働省も摂取を推奨しています。

葉酸サプリが必要なのは、神経管閉鎖障害の発症リスクを予防することが大きな理由です。(参考1:厚生労働省-神経管閉鎖障害の発症リスク低減のため…

葉酸はビタミンB群の一種で、DNA・RNAやたんぱく質の生合成を促進する栄養素。

これらの栄養素は、妊娠初期の妊娠4週目から12週目に赤ちゃんの脳や脊髄の基盤になる神経管を作るために必要です。

そのためこの時に葉酸が不足していると、先天性異常の可能性や神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるとされています。

神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすためには、赤ちゃんの脳や脊髄の基盤になる神経管の生成がまだ始まっていない、妊活中や妊娠前から葉酸を摂取することが大切です。

生理中も飲むべき?

葉酸サプリは生理中であっても積極的に摂取するのが望ましいです。

葉酸には、月経前症候群や貧血の緩和にも役立つだけでなく、ホルモンバランスも整える作用があります。

▼葉酸サプリの生理中の作用

  • ホルモンバランスを整える
  • 血液をサラサラにする効果
  • 冷え性の改善
  • 生理痛や生理不順
  • 月経前症候群(PMS)

妊活中に限らずに生理痛やPMSなどで悩んでいる方も、葉酸サプリを摂取すると良いですね。

葉酸サプリはいつまで飲むのか?

葉酸サプリは、妊活中から授乳期まで必要です。

口コミでも「いつまで葉酸サプリをとるべき?」「何週まで必要?」と、先輩ママが葉酸サプリをいつまで飲んでたのか気になる人の声も多数見られます。

妊娠中の葉酸サプリはいつまで採っていたら良いんですか?知恵袋を見ていますと後期までとり続けていると子供が喘息になるかもと書いていました。もうすぐ妊娠15週です。引用元:Yahoo!知恵袋-妊娠中の葉酸サプリはいつまで…

妊娠初期に葉酸が赤ちゃんにもお母さんとっても必要な栄養素だと多く知られていますが、妊娠中や産後の授乳期まで葉酸は必要な栄養素です。

時期 理由
妊活中 ・生理不順やホルモンバランスの整え
・神経管閉鎖障害リスクの軽減
妊娠中 ・赤ちゃんの発育をサポート
・貧血の予防や改善
・妊娠高血圧のリスク軽減
・ホルモンバランスの整え
産後 ・母乳が血液で作られるから
・産後の回復や栄養素のサポート
・自律神経を整える作用

また、葉酸には細胞分裂をサポートする力もあると言われています。

妊娠中の赤ちゃんの細胞分裂もサポートしてくれるので発育を助けるだけでなく、産後でダメージを受けたお母さんの体の回復や子宮収縮も支えてくれます。

そのため、妊活中から産後の授乳期まで、葉酸サプリを摂取するのが望ましいです。

ですが、妊活中から産後まで葉酸の必要量が異なるので、摂取量については【時期別】葉酸サプリの摂取量で詳しく解説しますので参考にしてみてください。

葉酸サプリは妊娠中の妊婦はいつまで飲む?

妊娠中の妊婦が葉酸サプリを何週まで飲むべきなのか、結論は途中でやめることなく出産後も飲み続ける方が良いと言えます。

妊娠の時期によって葉酸の摂取量に違いがありますが、先天異常の多くは妊娠直後から妊娠10週以前に発生しており、特に中枢神経系は妊娠7週未満に発生することが知られています。(参考1:厚生労働省-神経管閉鎖障害の発症リスク低減のため…

胎児の先天異常の発症リスクを下げるためにも、妊娠初期は1日0.4mg(400μg)の葉酸を摂取するのが望ましです。

また、つわりなどで葉酸が取れない場合も、積極的に葉酸サプリで補ってあげることが理想的

つわりで飲めない時の対処法でも、詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。

産後はいつまで飲む?授乳中も必要か

葉酸は産後の体の回復もサポートしてくれるので、積極的に摂取するのが望ましいです。

また、母乳を与える授乳中にも葉酸は必要な栄養素で、授乳を通じて赤ちゃんの成長に必要な栄養素でもあります。

赤ちゃんの発育をサポートするためにも、離乳食が始まり栄養が食事から摂れるようになる卒乳期までは摂取すると良いでしょう。

厚生労働省はいつまでを推奨している?

社会保障や福祉事業発達から、子育て支援まで多岐にわたる厚生労働省。

葉酸サプリを飲んだ方が良いと推奨している厚生労働省ですが、実際にいつまでを推奨しているかというと、「妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間は葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事が必要である」としています。(参考3:厚生労働省-神経管閉鎖障害の発生リスク軽減のため…

妊娠を希望する妊活中から適切な健康管理がとても重要です。

妊娠中の母体の健康や胎児の健全な発育のためにも、日頃からバランスの良い食事で栄養バランスを保ち、足りない栄養を健康補助食品である葉酸サプリで補ってあげることが大切になります。

【時期別】葉酸サプリの摂取量

葉酸サプリの摂取量

葉酸は、男女問わず成人が毎日240μgが必要とされています。

妊活中や妊娠中には、成人推奨摂取量の240μgに加えてさらに葉酸の追加が推奨されています。

時期 摂取量
妊活・妊娠前 240μg(成人推奨摂取量)+400μg=640μg
妊娠中 240μg(成人推奨摂取量)+240μg=480μg
授乳期 240μg(成人推奨摂取量)+100μg=340μg

妊活や妊娠前と授乳期で葉酸摂取の推奨量が違う点について、まとめていますので参考にしてみて下さい。

妊娠前〜妊娠初期

妊娠前の妊活中や妊娠初期には、胎児の神経管閉鎖障害の予防のために普段の食生活で得られる240μg+サプリなどから1日400μgの葉酸摂取が推奨されています。

毎日バランスの良い食事と葉酸サプリを摂取しても、血中濃度を満たすためには1か月以上かかるといわれているので、妊娠について考えたら葉酸の摂取をするのが良いです。

妊娠中期〜妊娠後期

妊娠中期から後期は葉酸の分解や排泄が促進される報告もあり、推奨量である240μgの2倍にあたる480μgが推奨されています。

妊活中や妊娠初期に比べて摂取量は少なくなりますが、積極的な摂取が必要です。

中期以降は鉄の貯蔵や血液循環量が増加するので、鉄やビタミンも合わせて摂取することが重要とされています。

出産後(授乳期)

出産後は食事で摂取できる240μgに加え、100μgの葉酸を摂取することが望ましいです。

母乳によって赤ちゃんに葉酸を届けることができるので、授乳期にも葉酸の摂取推奨量は普段の約1.4倍になります。

また、母乳は血液から作られるため、妊娠していない通常時よりも多くの葉酸が必要です。

葉酸を飲むのが遅かった!妊娠してからだと遅い?

葉酸を飲むのが遅かった!妊娠してからだと遅い?

妊活中から葉酸サプリを飲まずに、妊娠が分かってから葉酸サプリを摂取し始めても神経管閉鎖障害の発生リスクの予防のためには遅いと言えます。

胎児心拍が確認できるのは、早くても妊娠5週目のはじめから遅くても6週目末には確認できることが多いです。(参考4:日本産婦人科医会-11.それは正常所見です!(初期)

葉酸が体にしっかりと蓄えられるようになるまでにはおよそ1か月ほどかかるので、妊娠が分かってから葉酸サプリを摂取しても神経管閉鎖障害の予防のためには遅いことが分かります。

ですが、葉酸は神経管閉鎖障害の発生リスク予防の他にも様々な効果がある必要な栄養素です。

▼葉酸の働き

  • 赤血球の生成を助ける
  • DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の合成促進
  • 細胞分裂や再生を助ける
  • 貧血や高血圧の予防・軽減

妊娠が分かってから葉酸サプリを摂取しても神経管閉鎖障害のリスク予防には遅いですが、葉酸サプリは様々な効果が得られるので妊娠が分かった時点からでも飲み始めると良いでしょう。

4週目からでも大丈夫?

4週目以降であっても葉酸サプリは積極的に摂取するようにしましょう。

妊娠初期は(13週6日)までと区分されているので、4週目の場合は240μg(推奨摂取量)+400μg=640μgの葉酸が必要です。

そのため、4週目からでも大丈夫なので妊娠が分かったら早めに葉酸サプリを摂取するのが良いでしょう。

5週目・6週目からだと遅い?

妊娠に気付いた時が5週目や6週目という人は多いです。

そのため妊娠に気付いた時には、すでに神経管閉鎖障害の発生リスクの予防としての葉酸サプリの摂取は遅いと言えます。

ですが、まだまだ5週目・6週目は妊娠初期のため葉酸は640μgが推奨されています。

葉酸は妊娠高血圧症候群の予防や貧血の改善にもつながるので、授乳期まで用量を守って葉酸サプリを摂取するのが良いです。

妊娠初期に葉酸を飲まなかった場合は?

先述した通り、すでに赤ちゃんの脳や脊髄の基盤になる神経管の生成が始まっている妊娠初期からでは遅いと言えます。

しかし妊娠初期に葉酸サプリを飲まなかったからといって必ずしも神経管閉鎖障害が起こるわけではなく、あくまでもリスクを下げるだけです。

1998年のデータですが、日本において神経管閉鎖障害の発症率は1万人に対して6人ほどという結果があります。(参考1:厚生労働省-神経管閉鎖障害の発症リスク低減のため…

妊娠初期に葉酸を飲まなかったことを不安に思い、ストレスを溜め込んでしまうことは妊娠時には悪影響になることも。

そのため、妊娠初期に飲めなかったことを不安に思うよりも、妊娠に気付いた時点で早めに葉酸サプリの摂取をすることが大切です。

また、妊娠3ヶ月目を超えてしまっている場合、すでに赤ちゃんの神経管は完成しているので妊娠初期に飲めなかったからといって用量を増やして葉酸サプリの摂取をすることは逆に危険です。

妊娠3ヶ月以降に葉酸を1日900~1000μg以上を摂取した場合、胎児が小児ぜんそくのリスクを高める研究データもあります。(参考5:妊娠期の葉酸サプリメント摂取と児の喘息発症リスクとの関連

必ず妊娠時期に合わせて容量を守って、気付いた時点から早めに葉酸サプリを取るようにしましょう。

葉酸サプリがつわりで飲めない場合の対処法

葉酸は多く摂取した方が母体にも胎児にも大切なことは分かっていても、つわりがひどくて葉酸の摂取ができない人もいます。

つわりがひどく、普段の食事で葉酸が取りにくい人も葉酸サプリを摂取することで補うことができるのが栄養補助食品のメリットです。

ただ、つわりの辛さは個人差があるので葉酸サプリすら摂取できない時期もあります。

葉酸サプリは妊活中から授乳期まで毎日摂取することが理想的。

ですが、どうしてもつわりや体質で飲めないことがストレスになってしまうのであればつわりが落ち着くまで一時的に葉酸サプリを飲まないのも選択肢の1つです。

葉酸サプリによっては、時間帯を気にせずに摂取できるタイプもあるので、体調の良い日・体調の良い時間に摂取するのも良いでしょう。

また、葉酸サプリは種類が多いので自分に合ったサプリを見つけるために、複数の葉酸サプリを試すのもおすすめの対処法です。

まとめ

葉酸サプリをいつからいつまで飲むべきなのか、妊活中から授乳中にも葉酸が必要な理由をご紹介しました。

  • 妊娠を希望した妊活中から摂取を
  • 妊娠中、授乳期は容量を守って摂取
  • 遅いことはなく、気付いたら葉酸サプリ
  • つわりで飲めない時は一時休止もOK
  • 貧血や高血圧予防にも必要

葉酸サプリを妊活中から摂取した方が良いという情報は知っていても、妊娠中や授乳期に葉酸が通常よりも必要になることは、まだまだ認知されていません。

胎児や赤ちゃんの成長に大切な葉酸ですが、母体であるお母さんの体の回復もサポートしてくれるので継続的に葉酸サプリの摂取をしてあげましょう。

▼参考にしたページ

(参考1:厚生労働省-神経管閉鎖障害の発症リスク低減のため…
(参考2:ゼクシィBaby-【1500人にアンケート】妊娠判明のきっかけは?…
(参考3:厚生労働省-神経管閉鎖障害の発生リスク軽減のため…
(参考4:日本産婦人科医会-11.それは正常所見です!(初期)
(参考5:妊娠期の葉酸サプリメント摂取と児の喘息発症リスクとの関連

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